5/23/2010

高瀬一誌の短歌

うどん屋の饂飩の文字が混沌の文字になるまでを酔う



ホトケの高瀬さんと言われしがよくみればざらざらでござる



鐘をつく人がいるから鐘がきこえるこの単純も単純ならず



頓死その字のごとし大馬鹿その字のごとし蟷螂その字のごとし



ジャムをなめるおとこはきらいこれみよがしの声がよろし



口に出してつぶやき文字にしてもつぶやくことしか書かぬ



自分の名を胸にかけられはずかしいわい赤塚植物園たくさんの木



ブーツはく女たちどれだけの男達を占領して来たかとおもう



にくみあう等圧線がそのままの構図で明日やってくるらしい



いまどきぜんまい仕掛けが体にのこっているとはこいうことか



処方箋はドイツ語らしいOの字くずれるあたりがデザイン



高熱を抱きしめてくれた毛布快楽にああくずれたり



専門家でないと海猫はわからないからからすのことはくわしいと語る



ころがせばころげゆくから桃は切なげになる獰猛になる



あそび呆けていた鋏は十日間かけて帰ってくるもの



つぶしたいものがあるのかバスは一回あとずさりをする



眼をつむればまっくらやみが来るそんなことにも気づかざりけり

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